リモート時代のクラシックとは 鈴木優人と藤倉大

有料記事

編集委員・吉田純子
[PR]

 コロナ禍の「いま」に心を研ぎ澄ませ、新たな表現を模索する。ポストコロナの風景は、そこからきっと見えてくる。調布国際音楽祭をオンライン開催に切り替えた総合プロデュースを担う指揮者、鍵盤奏者の鈴木優人。リモート演奏を前提とした楽曲を制作した作曲家の藤倉大。クラシック音楽で世界を舞台に活躍する2人に聞いた。

     ◇

古楽器、リモートで「第九」 鈴木優人

 14日に開幕する調布国際音楽祭は、全日程をオンライン開催に切り替えた。音楽祭はこれが8回目。鈴木優人は「新たな前例をつくる挑戦になる」と語る。

 「演奏家はみんな、表現するために生きている。何カ月も待ってはいられない。練習をしている限り、やっぱりどこかに届けたい」

 ある日、親しい間柄のウィーンの指揮者、サッシャ・ゲッツェルにインスタライブに招かれた。リスナーの反応に、「聴く力」を存分に培ってきた優れた聴き手たちが今、その力をもてあましていると感じとった。「この人たちとなら、オンラインでもちゃんとつながれるかも」

 今回の最も大きな挑戦が、古楽器によるリモート「第九」(21日)。おそらく世界初の試みだ。

ここから続き

 編集の試作を見た父の鈴木雅…

この記事は有料記事です。残り1674文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません