国内初、幹細胞で新型コロナ治療 ロート製薬が治験へ

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市野塊 戸田政考
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 新型コロナウイルスの患者に「間葉系幹細胞」という細胞を使って治療しようとする臨床試験(治験)をロート製薬大阪市)が計画している。東京都内で10日にあった国会議員有志の会合で、計画の概要を明らかにした。医薬品医療機器総合機構(PMDA)に近く、計画を届け出る。新型コロナで幹細胞を使った治験は国内で初めてという。

 新型コロナの重症化は、免疫にかかわるたんぱく質が暴走し、細胞を傷つける「サイトカインストーム」が関係しているとされる。今回使う間葉系幹細胞は、過剰な免疫反応によって誤って自分の体が攻撃されてしまうことを抑える効果が期待されると、ロート製薬は説明している。

 計画では、他人の脂肪組織からつくった細胞を使う。対象は人工呼吸器を装着するなどした重症者。週1回、1億個の細胞を計4回静脈に点滴する。大阪大病院に入院した患者を中心に6人で安全性や有効性を調べる。この細胞は、新潟大病院で肝硬変の患者を対象にした治験ですでに使われており、安全性は確認されているとしている。

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 ロート製薬などによると、幹…

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この記事を書いた人
市野塊
国際報道部
専門・関心分野
気候変動・環境、医療、テクノロジー