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スマホ決済の「2段階認証」を代行か 容疑の女を逮捕

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山口啓太 吉岡資 宮脇稜平
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 携帯電話の利用者を特定するSIMカードに記録された電話番号などを他人に不正に提供し、スマートフォン決済サービスの「2段階認証」を代行したとして、埼玉県警は8日、神奈川県秦野市の女(40)を私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで逮捕した。ヤフーIDの大量不正取得事件の捜査の過程で浮上した。捜査関係者への取材でわかった。

 2段階認証は、サービスにログインなどする際に、サービス事業者が利用者のスマホの電話番号にショートメッセージ(SMS)で数字を送り、それを利用者に入力してもらうなどしてなりすましを防ぐ本人確認の仕組み。女は格安スマホ事業者(MVNO)と複数回線を契約し、SNSで「1回1千~1500円程度で認証代行します」などと宣伝していたという。県警は女が昨年6~12月までに570回以上の代行を繰り返し、数十万円を稼いだ疑いがあるとみている。

 捜査関係者などによると、逮捕容疑は2019年7月19日、札幌市豊平区の男(29)がスマホ決済サービス「PayPay(ペイペイ)」に登録する際に必要な2段階認証のため、自分が契約した格安SIMに記録された電話番号や番号に送られる認証用のコードを1回伝えたというもの。容疑を認めているという。女は男とSNSでやりとりし、1千円あまりの報酬を受けたといい、県警は男も同容疑で調べる。

 男は「PayPay」と「ヤフオク!」を連携させて得られる特典を不正利用したとする電子計算機使用詐欺罪など3事件で昨年逮捕・起訴され、公判中。男の通信履歴などから女が浮上した。男がこの女以外にも2段階認証の代行を依頼した記録があったといい、県警はサービスを利用するために身元を隠す意図があったとみている。

格安SIMの悪用、絶えぬ背景は…

 調査会社「MM総研」(東京都港区)の調べによると、MVNOが提供する格安SIMの契約数は19年9月末で約1405万回線。14年9月末の約230万回線から約6倍に拡大した。総務省のまとめでは、19年末のMVNOは1千を超える。

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 MVNOは大手携帯電話会社

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