タマネギ180トン、畑で廃棄「最高の出来栄えなのに」

有料記事

小沢邦男
[PR]

 笠岡湾干拓地岡山県笠岡市)で育てられた出荷前のタマネギが行き場を失い、廃棄に追い込まれた。新型コロナウイルスの影響で需要が落ち込んだため。「表現できない悔しさ」と生産者は唇をかむ。

 廃棄を余儀なくされたのは、県産の35%を占める年間1500トンを生産する農業法人「エーアンドエス」。干拓地に広がる約30ヘクタールの畑で、5月26日から廃棄作業を始めた。

 直径10センチを超す大きさに育った無数のタマネギが、破砕カッターをつけた大型トラクターで畑にすき込まれていく。グシャッという音と同時に、刺激臭が一帯に広がる。2003年に法人設立以来、初めての事態。「最高の出来栄えなのに出荷できない。表現できない悔しさです」。大平貴之社長(44)は作業光景に背を向けた。

 JA全農おかやまによると、今年のタマネギは国内最大産地の北海道で豊作なうえ、外食産業の営業自粛が追い打ちとなって需要が激減。4、5月の市場での平均価格は、1キロ当たり30~50円台と前年の3、4割ほどに低迷した。担当者によると「過去にない下落率」だという。

ここから続き

 エーアンドエスも、出荷の大…

この記事は有料記事です。残り221文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

新型コロナウイルス最新情報

新型コロナウイルス最新情報

最新ニュースや感染状況、地域別ニュース、予防方法などの生活情報はこちらから。[もっと見る]