五輪王者が認める「最強の男」 柔道永瀬の現実思考とは

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野村周平
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 リオデジャネイロオリンピック(五輪)柔道男子73キロ級王者の大野将平旭化成)が、一目を置く2歳下の後輩がいる。81キロ級で東京五輪代表に内定している永瀬貴規(同)だ。

 5月末、大野と永瀬が開いた小学生向けのオンライン柔道教室で「どっちが強いのか」という質問が出た。大野はすかさず言った。「東京五輪に内定が決まっている男子6人の中で、永瀬が一番強い」と。永瀬は「そんな風に言ってくれるのは大野先輩だけ」と謙遜したが、この「永瀬最強説」は4年以上前から大野の持論だ。

 身長182センチの永瀬は、両手を広げたリーチが189センチある。中量級の合宿で永瀬と組み合うことが多い大野は、いつもその長い間合いに手を焼いていると語っていた。井上康生監督も「相手の力がすべて吸収されるような強さ」と、その懐の深さを表現していた。豪快さに欠けても、攻守に粘り強く、隙がない。それが永瀬の柔道だ。

 長崎日大高1年の時に全国高校選手権で優勝するまで、目立った選手ではなかった。「自分は現実を見る少年だった」と本人は振り返る。五輪を夢見る子どもは少なくないが、彼は目の前の大会を目標に掲げていたという。「今日腕立て伏せが10回できたら、明日は11回というように。一つひとつ、階段を上っていくことが大事と考えてきた」

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