感染者増加、北九州市長「第2波のまっただ中にいる」

布田一樹 吉田啓 板倉大地 山田佳奈
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 北九州市は29日、新型コロナウイルスの感染者が28日に新たに21人確認されたことを受け、関係部署による対策会議を開いた。また、この日午前には生徒の感染が確認された中学校を消毒した。

 北橋健治市長は午前11時に始まった会議の冒頭、「第2波のまっただ中にいる」との認識を示した。6月1日から本格的な再開を予定していた市立学校については「当分の間、午前中の授業にとどめることも視野に入れるなど対応を協議したい」と述べた。

 28日に感染が確認されたのは、門司メディカルセンター(門司区)の職員9人▽北九州総合病院(小倉北区)の入院患者ら2人▽企救(きく)中(小倉南区)の生徒1人▽守恒(もりつね)小(同)の児童1人を含む10~80代の男女21人。北九州総合病院では、25日と27日にも計3人の感染が確認されていた。

市内2校で臨時休校、校内消毒

 門司メディカルセンターと北九州総合病院では、クラスター(感染者集団)が発生したとみられ、救急外来の受け入れなどを当面停止しているという。

 企救中と守恒小はこの日、臨時休校となった。企救中では午前9時半から消毒が始まり、防護服とゴーグルを着用した清掃業者13人がエタノールや次亜塩素酸水を廊下に噴霧したり、教室の机、窓を拭いたりした。生徒の感染が判明した28日夜に、全校生徒337人や教職員37人に臨時休校を連絡。当面は休校にし、自宅学習などへの対応は今後、検討する。

 北九州市内での感染確認は23~28日の6日連続で、計43人。うち21人は感染経路が分かっていない。

知事「強い危機感を持っている」

 北九州市で28日に新型コロナウイルスの新たな感染者が21人確認されたことについて、福岡県の小川洋知事は29日午前の定例記者会見で「強い危機感を持っている」と述べた。

 小川氏は、今月末まで予定している県内のスポーツジムや接客を伴う飲食店への休業要請の解除について「最新のデータ、分析結果で最良の判断をしたい」と説明。県に派遣されている厚生労働省のクラスター班などとの協議も踏まえて、判断する考えを示した。一方で「他の地域は(感染者の確認が)ゼロ。そこが難しい」とも述べ、北九州市周辺に限定した対応をとることに含みを持たせた…

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