マスク争奪3カ月 まず見張り番が…薬局店長が振り返る

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江口英佑
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 東京のJR神田駅西口にあるドラッグストア「昭和薬品」。男性店長(53)の手帳は、2月20日から5月初旬まで真っ白だ。「この3カ月は戦争状態。忙しくなり過ぎちゃって、予定を書きこむ余裕がなかった」。激務の原因は、新型コロナウイルスの感染拡大で品薄状態が続いたマスク。店はどんな状況だったのか。店長にこの3カ月を振り返ってもらった。

謝り疲れました

 国内で新型コロナの感染が広まり始めた2月中旬、マスクの売り上げが急に1.5倍に増えた。下旬には在庫がゼロになった。「いつも頼んでいる卸業者が軒並み売り切れ。知り合いの知り合いまでたどって、『高く買うから』といって仕入れていました」。このころ、卸業者などに一日20~30件照会するなど仕入れに奔走。その傍らで、店頭での接客や、毎日数十件の問い合わせ電話に対応していた。「お客さんは悪くないんだけど、一日何十回も『マスクは入荷したか』『今度はいつ入る』と聞かれ、わからないから謝るしかなくて。謝り疲れました」

 品薄が深刻化したころ、多くの人が店の前で開店を待つようになった。パニックを防ぐため、開店直後ではなくスタッフが手厚い昼ごろに陳列。その時間帯には、普段2人態勢のレジを4人に増やして対応した。

 3月には国産100枚入りの…

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