墓地公売、きっかけは住職の財テク 1年で7千万円失う
村上潤治
名古屋・大須にあった古刹(こさつ)・久宝寺が税金の支払いを滞納したとして、名古屋国税局が寺の墓地を差し押さえ、公売にかけた。異例の事態に、檀家(だんか)は怒りと戸惑いを隠せない。なぜこんなことになったのか。
きっかけは、住職が抱いた将来の経営不安だった。
「檀家(だんか)は100軒ほど。人口減で減り、家族葬が増えて葬式も減っている。このままではお先真っ暗だ」
住職は2012年、安定した収入を得るため、大須商店街の中心にあった寺を、本堂兼マンションに建て替えることを決めた。工事代金約4億9千万円で14年に完成。11階建て約30部屋、最上階に本堂を設けた。
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しかし、寺の資金繰りはすで…