マスク値崩れ「赤字覚悟」「原価割れ」…1カ月で激変

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江口英佑 真海喬生
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 品薄が続いていたマスクが徐々に店頭に戻ってきた。大手のスーパーやコンビニで見かける機会も増えてきた。4月に異業種が続々と販売に乗りだし、マスクビジネスが活況だった繁華街はどうなっているのか。5月下旬、1カ月ぶりに町を歩いた。

半値以下でも買う人いない

 まず東京・大久保に向かった。先月はマスクを求めて人だかりができていた香辛料店。相変わらず店先にマスクが山積みにされていたが、違うのはその値段だ。50枚で1300円。1カ月前は3500円前後だった。半値以下だ。だが、そのマスクを買う人はいないようだった。隣には前回も見かけたデザインの箱入りで、2500円で売られている。男性店員は「早い時期に仕入れたものは仕入れ値が高かったから、これ以上は下げられない。赤字で売ることもある」とこぼす。

 大通りに出ると1カ月前と変わらず、タピオカドリンクの店や中華料理店、化粧品店などで売っていた。値段は50枚で2千~3千円と、先月より1千~1500円ほど安い。ただ、ここでも買い求める人はあまりいない。「最終在庫セール」などと銘打って売る店も多い。韓国コスメを扱う店の男性店員によると、5月に入ってほとんど売れなくなったという。この店員は「緊急事態宣言が解除されたら、もう終わり。在庫は従業員で使います」と漏らす。

 その足で東京・上野のアメ横…

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この記事を書いた人
江口英佑
経済部|金融担当
専門・関心分野
金融、自動車、鉄鋼、製薬