緊急事態宣言の解除によって、新型コロナウイルスの影響で止まっていたスポーツが再び動き出す。家の中で運動していた部活動に取り組む中高生のほかトップアスリートが速さや激しさを伴うプレーに体を適応させるには、どれくらいの準備期間が必要で、どのような段階を踏んでいけばいいのか。

 一般社団法人「日本アスレティックトレーニング学会」は、中高生が部活動の自粛解除後に練習でけがをしないための指標として、自粛中の練習の「0・8~1・3倍の負荷」での再開を勧めている。

 「負荷」は、取り組んできたトレーニング強度を自分の感覚で0~10に分類し、それに練習時間をかけて数値化する。例えば、自粛期間中のトレーニングの強度が「2」、時間が「30分」なら負荷は「60」になる。この場合、復帰後は「48~78」の負荷で1週間ほど練習し、徐々に負荷を増やしていくことが望ましいという。焦りは禁物だ。

 また、トップアスリートのトレーニングについて、昨年のラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会で日本代表の体力強化を担った太田千尋コーチ(現サンウルブズコーチ)は、「ラグビーのようなコンタクトスポーツでは、試合まで最低6週間の準備が必要」と話す。

 自粛期間の練習環境によって体の状態は異なるが、太田さんは「ハイパフォーマンス」を引き出すため、6週間を3段階に分けて考えるという。

 ①最初の2週間は、全身持久力を高めたり、体の可動域を広げたりして、基礎体力を向上させる。

 ②次の2週間は、筋力トレーニングで最大筋力を高め、ジャンプやダッシュで瞬時にスピードなどを発揮できるようにする。

 ③最後の2週間は試合形式の練習を行い、試合に向けた動きを整える。

 さらに太田さんは、この時期の…

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