民意のフィードバック働いた 小熊氏が見た検察庁法騒動

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 衆院で審議中の検察庁法改正案について、朝日新聞社が緊急の全国世論調査(電話)を実施したところ、改正案に「反対」が64%に達した。問題となったのは、政府の判断で検察幹部の定年延長が可能になる特例。調査結果や、ツイッターで広がった改正案への抗議の「民意」を、どう受けとめるべきか。小熊英二慶応大教授(社会学)に読み解いてもらった。

 ――16、17日に行った全国世論調査では、検察庁法改正案に賛成15%、反対64%でした。

 年代など類型別の回答をみると、「その他・答えない」が少ないほど「反対」が多く、「賛成」が少ない傾向があります。つまり法案の性格と経緯を理解するほど、反対が増えて賛成が少なくなる。改正案は三権分立に抵触する可能性が高いうえに、黒川弘務・東京高検検事長の定年延長閣議決定をしてから改正案を国会に出した経緯も問題でした。

 ――内閣支持率は4月調査の41%から33%に下がりました。

 支持率低下の最大の理由は、安倍政権新型コロナウイルス対応への不満だったと思います。しかしそうした不満がある中で、有権者の理解が得られない改正案を国会に出したことが、さらに支持率を下げる要因になったのでしょう。

 ――改正案をめぐってはツイッターで抗議の声が広がりました。

 民意を可視化したという意味では、大変良いことだったと思います。街頭のデモであれ、SNSによる発信であれ、可視化しないと有権者の意思は伝わりません。

 ――いわゆる「インターネット世論」に政治はどう向き合うべきでしょうか。

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 ネットだけで民意がわかると…

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