鳥取)タクシーが料理を配達 鳥取市で「タク配」始まる

宮城奈々
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 新型コロナウイルスの影響で利用者減に悩むタクシー会社と飲食店がタッグを組み、料理を宅配するサービス「いなばのごちそうタク配」が15日、鳥取市で始まった。市が配達料の一部を助成することで、低価格でのサービスが実現した。

 参加するのは、鳥取ハイヤー共同組合(同市栄町)に加入する10社。旧鳥取市域で利用できる。客が利用したい飲食店に連絡し、料理を選んで配達希望と伝える。注文を受けた店はタクシー会社に配達を依頼。運転手が店で料理を受け取り、客のもとまで届けるというシステムだ。

 15日現在、末広温泉町を中心に18の飲食店が登録。組合は今後、商工団体などに働きかけ、利用できる店を増やしていくという。料理代とあわせて支払う配達料は、距離にかかわらず一律300円。注文ごとの最低料金の設定はなく、弁当一つから利用できる。

 市は14日に可決した補正予算で事業費として540万円を計上。注文1件あたり2千円を上限に配達料を補助することで、低価格での配達にこぎつけた。

 組合によると、新型コロナウイルスの影響で市内でも2月ごろからタクシーの利用客が減り始めた。県内に緊急事態宣言が出された4月半ばからは、1日あたりの売り上げが例年の半分以下になる日も増えた。

 本来タクシーは貨物の配送を禁じられているが、国は4月、特例で一時的に認めた。「タク配」サービスは、同じく苦境に立たされている飲食店と、外出を自粛する客側にも利点があり、全国で広がりを見せつつある。県内では米子市でも2日から同様のサービスが始まった。

 「いなばのごちそうタク配」では、1日あたり30~40件の利用を見込む。組合の沢耕司理事長(64)は「ごちそうを配達することで、外出を自粛されている方に少しでも元気になってもらいたい」と話した。問い合わせは組合(0857・22・7812)へ。(宮城奈々)

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