フィッシング詐欺、こうしてだまされる 記者も釣られた

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有近隆史
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 偽のメールを送りつけて偽サイトに誘導し、クレジットカード情報などを入力させて金品をだまし取る「フィッシング詐欺」。自分は引っかかるわけがない。何度も詐欺事件の記事を書いてきた私(39)はそう思っていました。しかし、見事に釣られました。

カード会社から電話が

 2月下旬。都内で取材を終えてカバンから私用のスマートフォンを取り出すと、見知らぬ電話番号の不在着信が画面に表示されていた。

 かけ直すと、相手はクレジットカード会社の「オーソリセンター」と名乗った。カードの決済状況などを担当する部署らしい。

 「昨夜の利用状況について確認したいのですが」。担当者から伝えられたのは、午前3時ごろに決済されたとする十数件の利用状況。いずれも海外のサイトで2万円前後の買い物を繰り返しているが、実際にあなたが購入したのか、という確認だった。

 驚きつつ、自信を持って「ない」と答えた。その夜は熱が出て午後8時過ぎには寝ていたからだ。起きたのは午前7時ごろ。その時間に買い物ができるはずがない。

 そう伝えると、相手は「おそらく不正にカード番号を使われたのだと思います」。そしてこう続けた。「カード番号を入力したなどの心当たりはありませんか」。

 ハッとした。

「アカウントを更新できませんでした」

 数日前、大手通販サイトのアマゾンを名乗るメールがスマホに届いた。何げなく読んでいると、次の文面にひっかかった。

 「Amazonのアカウントを更新できませんでした」

 どういうことか。続く文面はこう警告していた。

 「24時間以内にご確認がない場合、お客様の安全の為(ため)、アカウントの利用制限をさせていただきますので、予(あらかじ)めご了承ください」

 更新しないとまずい、と感じ…

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