元慰安婦の支援団体を91歳が批判 寄付流用の疑惑報道

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ソウル=鈴木拓也
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 韓国で元慰安婦を支援してきた市民団体「正義記憶連帯(旧挺対協)」が、寄付金の不正流用疑惑などで揺れている。活動を共にしてきた元慰安婦の批判がきっかけで、ビアホールの代金や前理事長の娘の留学費用に使ったのではというメディア報道が相次ぐ。前理事長は4月の総選挙で進歩(革新)系与党から立候補して当選しており、政界を巻き込んだ非難合戦に発展している。

 きっかけは元慰安婦で、日本政府を訴えた賠償請求訴訟の原告でもある李容洙(イヨンス)さん(91)が7日開いた記者会見だ。李さんは、団体に集まった寄付金などが元慰安婦のために「使われていない」と指摘し、団体に「利用されてきた」と批判した。さらに、団体が1992年以降、ソウルの日本大使館近くで毎週水曜に開いてきた日本政府への抗議集会についても、「若者のためにならない」と中止を求めた。

 団体は95年に日本が元慰安婦に「償い金」を送るために設置したアジア女性基金や、2015年の日韓慰安婦合意について、日本側が法的な責任を認めていないとして反対。一部の元慰安婦とともに、日本政府を糾弾してきた。また、前理事長の尹美香(ユンミヒャン)氏は4月の総選挙で、与党系の比例代表から立候補して、当選した。李さんは尹氏の政界進出に反対していたという。

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