離れていても吹奏楽楽しめる YouTubeで「宿命」

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川村さくら
北海道北斗市立上磯中学校吹奏楽部の演奏動画(YouTubeより)
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 吹奏楽部員にとって年に一度の大きな目標になってきた全日本吹奏楽コンクールの中止が決まっても、動画サイトで練習の成果を発表する学校がある。全国大会で5年連続で金賞を受ける北海道北斗市立上磯中学校。「合奏の楽しさ」という、原点に立ち返る取り組みだ。

コンクールがなくなっても

 全国大会と道大会の中止発表から一夜明けた11日午前、分散登校日で久しぶりに学校へ来た吹奏楽部員が集まった。15分の短いミーティングで顧問の中條淳也教諭(47)が「コンクールがなくなっても、前向きにやれることを探していこう」と伝えると、部員たちはうなずきながら聞いていたという。

 部長でオーボエを担当する3年生大友心さん(14)は言葉を選びながら、「自分もみんなもコンクールがなくなることを実感できていなかったけど、先生の話を聞いたら少し実感がわきました。先生の『前向きに』という言葉に、うるっときてしまいました」と話した。

テレワーク合奏

 全国大会が開催されるかどうか見通せないなか、部員たちは4月末から一つの作品づくりに取り組んでいた。その成果が10日、YouTubeで公開された。題して、「上磯中学校吹奏楽部テレワーク#1(宿命)」。

 新型コロナウイルスの感染拡大で2月末から休校になり、部活動ができなくなった。自宅で自主練習に励む部員たちに、中條教諭はほぼ毎日、保護者を通じてメールを送ってきた。曲の解説や思い入れをつづった。しかし、卒業生にとって最後のステージだった3月末の定期演奏会は取りやめになった。

 そこで4月中旬、中條教諭が提案したのが、「テレワーク合奏」だった。「あるかどうかわからないコンクールに向けて練習するより、目の前に具体的な目標を設けたほうが部員たちもがんばれる」との思いもあった。

ヒゲダン「宿命」

 選んだのは、昨年から演奏してきた「Official髭男dism」のヒット曲「宿命」。入部したての1年生約20人も加わった。

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 交流のあった吹奏楽向け楽譜…

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