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第2回増えないPCR、焦る専門家 「目詰まり」1カ月前から

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【動画】PCR検査、経済支援策、マスク…。安心は、なかなか届かない
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 初の緊急事態宣言から10日目となる4月16日、安倍晋三首相は対象地域を全国に拡大した。ただ、命とくらしを守るとして政府が打つ手は、なかなか国民のもとに届かない。新型コロナウイルスの感染が広がって医療崩壊と経済崩壊が迫るなか、「目詰まり」は解消されないまま、時間ばかりが過ぎていく。

保健所はパンク 遅れた方針転換

 感染の有無を調べるPCR検査で、希望者の窓口をほぼ一手に担ってきたのは各地の保健所だ。

 4月21日、東京都大田区の保健所に設けられた「帰国者・接触者電話相談センター」の電話相談窓口には、携帯電話を手にする職員の姿があった。かかってくる有線電話は、1日300件ほど。回線がふさがらないよう、区民への折り返しの連絡には携帯を使っていた。

 翌22日。政府の専門家会議の会見で、尾身茂副座長は「何度も保健所職員が疲弊していると言ってきた」「検査までのプロセスがうまくいっていない。非効率だ」と強調し、チャートを使って説明を始めた。

 テレビにも積極的に出演する尾身氏は、20年近く世界保健機関(WHO)に勤務し、小児まひ(ポリオ)の根絶を手がけた感染症の専門家だ。政府のコロナ対策に専門的な見地から助言する会議に加え、政府が緊急事態宣言を決める際に意見を求める諮問委員会では、委員長を務める。10年前に新型インフルエンザが流行した際も、政府の専門家組織に入った。

 PCR検査は、主に保健所を経由して感染の疑いがあれば専門外来を受診し、医師が必要と判断した人が受ける。だが、検査体制には限りがあり、重症の恐れがある人に集中していた。

 そこへ、欧州などの帰国者か…

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