おしゃれに「デコる」補聴器の装飾チップ、難聴者が考案

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柳谷政人
【動画】つけ爪のように着せ替えできる装飾チップ「アート補聴器」 。難聴者の女性と専門家が開発=柳谷政人撮影
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 難聴者の女性が補聴器の専門家とタッグを組み、つけ爪のように補聴器を「着せ替え」できる装飾チップを開発した。視線を気にして補聴器を隠しがちな難聴者と、その存在に気づきにくい健聴者。おしゃれにデコる(飾る)ことで、垣根を取り払おうと考えた。

 装飾チップを発案したのは「アート補聴器『十彩(といろ)』」代表の松島亜希さん(35)=大阪府池田市。自宅の作業場にはネイルで使うカラフルなジェルの小瓶が並ぶ。小筆やスポンジを巧みに使い、補聴器に付けるチップをデザインする。

 感音性難聴で1歳半から補聴器を使う。周囲には難聴者とどう接したらいいのか戸惑う人も少なくない。

 「子どもの頃から経験していれば、いい影響を与えられるかも」と考え、学生時代にNPOが運営する野外キャンプのスタッフになった。だが、子どもたちは補聴器を「見てはいけないもの」と認識しているようで、視線に気づいて振り向くと目をそらした。「ジロジロ見ちゃだめ」と親にたしなめられる子もいた。

 壁を乗り越えるにはどうすればいいか。子どもの好きなものを検索すると「キラキラしたもの」とあり、4年ほど前、自分の補聴器にラインストーンを貼った。「触っていい?」「僕も付けたい」と興味を持ってくれた。一方で、通夜に参列した時は装飾をはがした。「スマホカバーのように付け替えられたら」。装飾チップの制作を始めた。

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 試しにマニキュア液を補聴器…

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