感染怖い…けど休めない 米国の貧困層、死亡率にも格差

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ワシントン=渡辺丘 ニューヨーク=藤原学思
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 新型コロナウイルスの感染者と死者が、ともに世界最悪となっている米国。中でも深刻なのは、黒人やヒスパニック系らのマイノリティーや貧困層の状況だ。背景にあるのは、米国内の深刻な格差の問題だ。

 米首都のワシントンはホワイトハウスから車で15分も走ると、落書きであふれた、古びた低層アパートが立ち並ぶブライトウッド地区に到着する。この地区を含め、黒人が多く暮らす北部地域の新型コロナの感染者は900人を超え、ワシントンで八つある行政区で最多だ。

 この地区で、ネケイシャ・ポープさん(37)は時給制の郵便局職員として働く。勤務時間は午前1時から午前9時半までで、主に局内で郵便物の仕分けにあたる。郵便局に届くまでの間、だれが触れたかわからない郵便物を取り扱うことには感染リスクがつきまとうが、「マスクも手袋も支給されない。危険手当もない」という。ポープさんが働く郵便局の約200人の職員は、数人を除いて黒人。これまでに、2人が感染し、1人が死亡した。

 でも、休めない。月額約1600ドル(約17万円)の住宅ローン、私立高に通う長女(15)の月額700ドルの学費をまかなう必要があるためだ。ぜんそくを患う娘への感染だけは避けようと、在宅勤務の妹宅に預けた。

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