がん治療中の感染、医師「必ず重症化するものではない」

月舘彩子
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 俳優の岡江久美子さんが23日、新型コロナウイルスによる肺炎のため63歳で亡くなった。所属事務所によると、昨年末に初期の乳がんのため手術を受け、今年1月末から2月半ばまで放射線治療を受けていたという。

 2月に米医師会雑誌に掲載された、中国で新型コロナに感染した4万4672人のデータによると、がんや糖尿病高血圧などの持病があると重症化しやすいことが報告されている。全体の致死率は2・3%だが、がんの患者では5・6%だった。

 中国・武漢の病院でがん治療をしていた患者のデータ分析では、一般の人より新型コロナの罹患(りかん)率は2倍だが、0・79%と決して高くはない。

 日本医大武蔵小杉病院の勝俣範之教授(腫瘍(しゅよう)内科)は「がん治療中の患者は、やや重症化しやすい傾向にあるが、ほかの基礎疾患に比べてとりわけ高いわけではないし、かかったら必ず重症化するというものでもない。過度に恐れる必要はない」と指摘する。

 勝俣さんは予防のため「手洗いと、不要不急の外出を控えることをより徹底してほしい」と強調する。患者数が増えている地域では、病院に行くことが感染リスクになる場合もある。欧米のがん学会からは、不急の診療を減らすよう求めるガイドラインも出ているという。

 勝俣さんは「地域と病院の状況にもよるが、国内でも病状が安定していたり、経過観察のための定期的な通院になっていたりする場合は、主治医と患者で相談し、受診の延期などの対策をとり始めているところもある」と説明する。(月舘彩子)

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