「できる」積み重ねた先に 負傷で車いす生活 パラ内定

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石田貴子
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 JR宝塚線(福知山線)脱線事故で負傷し、車いすの生活を送る女性が、パラアーチェリー東京パラリンピック出場内定を決めた。生死の境をさまよい、動かない体に涙した日から15年。未来をあきらめず、小さな「できる」を積み重ねてきた。五輪・パラが延期となった今も、前向きに開幕の日を待つ思いは変わっていない。

 2019年6月、オランダで開かれた世界選手権。東京都港区の岡崎愛子さん(34)=ベリサーブ=は男女ミックスの3位決定戦で、延長戦の末にチェコを下した。パラ出場資格を満たし、代表が内定。初めての国際大会挑戦でメダルも手にした。「出来過ぎた大会。やってきてよかったなと思った」

 同志社大2年だった05年4月25日、通学のため快速電車の1両目に乗っていた。尼崎駅手前のカーブに差しかかったとき、車両右側が「フワッ」と浮いた。車内に響く男女の悲鳴。つり革を握り直そうとしたが間に合わず、体が前に飛ばされた。

 乗員乗客107人が死亡し、562人が負傷した。岡崎さんも首の骨が折れる重傷を負い、首から下にまひが残った。肺挫傷による肺炎で呼吸困難に陥り、一時は死も覚悟した。入院は負傷者の中で最長の377日に及んだ。

 食事ができるようになるまで回復すると、体が動かないという現実に向き合わねばならなかった。

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 「歩きたい! 走りたい!」…

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