愛媛)道後温泉、昭和南海地震以来の休館
亀岡龍太
新型コロナウイルスの感染拡大による国の緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大されたことを受け、松山市は17日、道後温泉本館(道後湯之町)が18日から5月6日まで休館すると発表した。本館の休館は、年末の大掃除や改修期間を除き、1946年12月21日発生の昭和南海地震で泉源から湯が出なくなって以来。
同市道後温泉事務所によると、国の重要文化財で市のシンボルでもある本館は現在、2024年中の完成を目指して保存修理工事を進めており、2、3階の休憩室は使えないが、入浴営業は部分的に継続していた。市は本館を含む三つの浴場を道後温泉として営業するが、今回は本館と17年にオープンした別館飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)を休館に。市民の「銭湯」として親しまれる「椿(つばき)の湯」は営業を続ける。
道後温泉は年間100万人が訪れるが、新型コロナの影響で地元のホテルや旅館では予約キャンセルが相次ぐ。道後温泉旅館協同組合の新山富左衛門理事長は「緊急事態宣言を受けての話なので仕方がない。すでに観光面でも大きな影響が出ており、経済より感染拡大の収束を優先させる必要がある。でも、道後は冬ごもりを耐えきり、温泉本館の覆いに描かれた火の鳥のようによみがえる」と話した。
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