「市民の最後のとりで」中核病院で集団感染、知事も危惧

有料記事緊急事態宣言

滝坪潤一 小川裕介
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 「市民の最後のとりで、健康を守る中核病院として機能を果たしてきたが、院内感染が発生してしまった。深くおわびします」

 看護師や入院患者ら計14人の感染が判明した神戸市立医療センター中央市民病院の木原康樹院長は11日の記者会見でそう語った。

 最初の感染者が判明したのは9日。新型コロナウイルスの軽症者約30人が入院していた病棟に、新型コロナではなく内科系の疾患で入院していた70代の女性だった。新たに感染が確認されたのは、この病棟で勤務していた看護師らが中心だ。ほとんどが無症状だったという。

 感染が確認された看護師らが働いていた病棟は45床を備え、ウイルスが外に漏れ出さないよう部屋の気圧を低く保てる特別な病床に新型コロナの軽症者約30人を受け入れていた。看護師らは出入りのたびに防護衣を脱着してもいた。

 木原院長は「国際的なガイドラインに従い、衣服の交換や感染防御をしてきたのだが……」と声を落とした。中央市民病院は県内で新型コロナの重症者を受け入れる中心的な3病院の一つだった。重症者は今後も受け入れを続けるが、1日約2千人が訪れる外来診療も新規の受け入れを停止する。脳卒中心疾患などに対応する高度な3次救急も当面、市内の別病院などが引き受けて支援するが、長引けば市民生活や各病院への影響も避けられない。

 井戸敏三知事は11日、報道陣に「(新型コロナ対応の)中心の病院で大きな患者の固まりが発生したのは残念。(他の病院も)収容しきれなくなれば医療が持続できなくなる危険がある」と危機感を口にした。

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 今回の集団感染について、り…

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