自動運転でも…愛好者に配慮? 予想図に隠された真意
トヨタの未来都市④(全5回)
1月にトヨタ自動車が静岡県裾野市につくると発表した「Woven(ウーブン) City(シティ)」の概要や動画には、ある「メッセージ」が込められているという。自動車業界に詳しいアナリストの中西孝樹さんと一緒に読み解いた。
中西さんによると、トヨタのねらいは、自動運転や電気自動車をはじめとした次世代技術の確立と「スマートシティのプラットフォーム(基盤)を確立すること」だという。
名前の由来
米国や中国などで自動運転を前提にしたスマートシティの開発が進められ、激しい主導権争いが繰り広げられている。ただ、政府や自治体、IT企業が中心になるケースが多い。トヨタのような自動車メーカーが主導するケースは「世界初」だという。
まず注目するのは「Woven City(編まれた街)」という名前だ。自動運転車だけの道、速度が遅い個人用の乗り物と歩行者が混在する道、そして公園のような歩行者専用道、という3種類の道が「網の目」のように交差する設計が由来だが、中西さんは「トヨタの源流は自動織機メーカー。糸を紡いで布を織るという概念を街に応用しており、トヨタらしさが出ている」と分析する。
「駐車場」らしきものを発見
実際、豊田章男社長は1月の社員向けあいさつで、計画を「トヨタは自動織機から自動車にモデルチェンジし、いま自動車からもモデルチェンジしようとしている」と説明している。
敷地の中に道路や歩道の割合…
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