コロナにもろい日本のICU イタリアより死者増早い?

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阿部彰芳
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 新型コロナウイルスの重症者に対応できる集中治療室(ICU)のベッドは、1千床未満――。日本集中治療学会が1日、こんな窮状を訴える声明を出した。集中治療を受けられなければ助かる命も助からない。国内のICUは推定約6500床。新型コロナに使えるベッドがなぜ少ないのか。同学会理事長の西田修・藤田医科大教授に聞いた。

 医療の発達した現代では、多くの人は急性期の病院で亡くなる。もちろん、高齢などの理由で自宅や施設でみとられる人もいるが、少なくとも肺炎を起こせば、病院に行き、重症化して助からなければ、集中治療室(ICU)で亡くなる。

 新型コロナウイルスの感染者に対する死者をみていると、イタリアでは3月頭は2~3%だったが、今は約12%に上がっている。感染の拡大よりも死亡者の増加が上回っている。一方、ドイツの感染者は7万人を超えているが、死者は1%ほどだ。

 恐らく、ドイツで亡くなっている人はICUのベッドで亡くなっている。しかし、イタリアの多くの人は、ICUのベッドで亡くなっていない。

イタリアでは命の選別

 患者の数が少ないころは、重症の患者はICUに入り、手厚い治療を受けられる。現代の集中治療はものすごく発達し、人工肺(ECMO(エクモ))を使えば、普通の人工呼吸器では助からない人でも助かっていく。この恩恵にあずかることができれば、多くの人は亡くならずにすむ。

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 イタリアの集中治療のレベル…

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