マスク、大事なのはWの形 漏れ率を0に近づける方法は

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月舘彩子
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 新型コロナウイルスの世界的大流行で、マスクが品不足になっている。だがWHO(世界保健機関)は2月下旬、ウェブサイトで一般向けに「健康な人にマスクは必要ない」と解説した。一体マスクにはどんな効果があり、どう着ければいいのか。

 「ただ覆っておけば大丈夫、という感覚だとマスクは機能してくれない」と聖路加国際大学大学院の大西一成准教授は話す。大西さんは、PM2・5など大気汚染の研究をする中で、様々なマスクの性能を調べてきた。まずは、どんな状況・場面で着けるのか、自分の周りの「空気」を考える必要があるという。

 マスクを着用する主な目的には①ウイルスや花粉などの微小粒子やガスの取り込み防止②菌やつばを外に飛ばさない③鼻やのどの粘膜を保湿・保温――の三つがある。目的に対応するマスクを選ぶ必要がある。

 「マスク」は多種多様で、それぞれ特徴がある。ドラッグストアやコンビニなどで手に入れやすい不織布やガーゼのマスクは「衛生マスク」という。フィルター性能などから①の目的で使えると思われがちだが、それは違う。②や③の役割を果たし、粘膜の保護や感染拡大防止の効果が期待される。これに似ているのが「サージカルマスク」。もともと外科手術(サージカル)の際に医療従事者の口からつばや雑菌が患者の手術部位に付かないように開発されたもので、②の目的で着用される。

 マスクの外の粒子から身を守る①の目的を達成するマスクは「防じんマスク」といわれ、「N95」や「DS2」などの規格がある。医療従事者が感染するリスクのある結核患者の治療をする際などに使うのもこのマスク。立体的で、顔と密着させるためにゴムひもの長さを調節できるようになっている。造船所などの粉じんの舞う作業現場ではさらに密着度の高いフィルター取り換え式の防じんマスクを使う。

 ①の目的で使うには、マスクのフィルター性能に加え、自分の顔にフィットして隙間無く装着できるかがとても重要だ。ドラッグストアで購入できる「衛生マスク」では粉じんやウイルスの侵入を完全に防ぐのは困難という。どうしても鼻やほおとマスクの間に隙間ができてしまうためだ。この「漏れ率」を理解して着用する必要があると、大西さんは指摘する。

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■フィットのひけつは「W」の…

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