社民、老舗のジレンマ 福島瑞穂氏復権でも定まらぬ海路

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今野忍
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 先は見通せずとも老舗政党の看板を掲げ続けるか。それとも、他党との合流に新たな道を見いだすのか。福島瑞穂氏(64)が党首に再登板した社民党が、剣が峰に立っている。

 新型コロナウイルスの感染拡大に対応する特別措置法が採決された、13日夕の参院本会議。福島氏は最後まで姿を見せることはなかった。

党首が党決定に従わず

 社民党は採決に先立ち、「早期終息のために立法措置が必要」として、統一会派を組む立憲民主党などと足並みをそろえる形で改正案への賛成を決めた。福島氏はこれを良しとせず、「欠席」を選んだ。

 「ギリギリの選択だった。私にとってはこれしかなかった」。採決から5日が過ぎた18日、国会内で記者会見した福島氏はそう釈明した。

 改正法が成立すれば、安倍晋三首相は私権の制限を可能とする緊急事態宣言を出せるようになる。福島氏は、首相が国民生活に大きく影響する一斉休校などを要請しながら、十分な説明をしなかったことを問題視したのだ。

 ただ、福島氏の思いがどうあれ、党首が党の決定を違(たが)えたうえに、その理由を速やかに語らないのは、党そのものの信頼に影響しかねない異例の事態だ。

 「党首の欠席を注意しないのか」。19日の会見で記者団から問われた吉田忠智幹事長(64)は、厳しい表情で「考えていない。不問に付したい」と語るばかりだった。

 「あんなことで政党といえる…

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