「地上最強生物」クマムシ 驚異的な能力の秘密とは?

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後藤一也
「乾眠」状態のクマムシが水を与えられ動き始める様子=大阪大の福田庸太助教提供
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 「地球最強の生物」と呼ばれることもある微生物「クマムシ」。

「乾眠(クリプトビオシス)」という休眠状態になると、30年以上冷凍保存されても、宇宙空間で強烈な放射線を浴びても、生き抜くことができる。大阪大の福田庸太助教(構造生物学)はクマムシのたんぱく質を調べて、驚異的な能力の謎を探っている。

 クマムシは体長約1ミリで、8本の脚でのそのそ歩き、生物学上「緩歩(かんぽ)動物」というグループに分類される。深海から熱帯まで様々なところで暮らす。日本でも150種以上が知られ、身近なコケの中などで見つかる種もいる。

 ヒトの体は水分が70%ぐらいあるが、クマムシは周囲が乾燥すると体の水分が数%になり、生命活動を止めてしまう。これが乾眠だ。水にふれると10分ほどで「復活」する。ただ、海の中でくらすクマムシはこうした乾燥耐性は持っていない。

 乾燥に強い生物は、昆虫のネムリユスリカの幼虫や植物のイワヒバなども知られている。こうした生き物は体内に蓄えた糖の一種「トレハロース」で乾燥に耐えている。だが、クマムシはトレハロースを蓄えない種も多く、卵から成体まで乾燥に強いのはクマムシぐらいだ。なぜ乾燥に強いのかは謎だった。

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