「男女分けず」「男性だけ対象」 医学研究それでいい?

有料記事国際女性デー

勝田敏彦
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 薬や治療の効果を調べるとき、男女で効き方や副作用に違いが出る――。そんな性差(性の違い)に着目した研究が奨励されるようになっている。科学研究はこれまで、臨床研究などを少しでも簡略化しようと、男性でだけ効果を確かめる場合が多かったが、近年の研究で、性差が無視できない場合があることが分かってきた。細胞レベルから性差を解明しようという「性差医学」にも注目が集まっている。

 プランクトンのオス・メスを区別せずに統計を取ったため、海水中の二酸化炭素が海の生き物に与える影響が誤って解釈された。人間がロボットに触ったときに脈拍などがどう変わるか調べる実験で、手足と尻などでは男女や年齢などで反応が違うはずなのに一緒に分析されて本当のところがわからない……。

 昨年11月、英科学誌ネイチャーは創刊150年記念号で「性やジェンダー(社会・文化的な性)を意識した分析が科学技術をよりよいものにする」との展望記事を掲載した。

 執筆したのは、カナダ・モントリオール大の研究者ら。失敗例だけでなく、性差を考慮することで発見につながる可能性を挙げ、研究者や研究資金分配機関、大学などに改革を求めた。

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 記念号にこうした記事が掲載…

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