「宇宙ひも」がひもとく私たちのルーツ 重力波でつかめ
村山斉の時空自在〈23〉
宇宙は生まれた直後、めまぐるしく変化していた。その間に、何度か「相転移」があったと考えられている。
水蒸気が冷えると水滴になる。これを「気体から液体に相転移を起こした」という。さらに冷やすと凍りついて固体の氷になる。これも相転移だ。ところが急冷して氷を作ると全体が透明にならない。中に水が閉じ込められていたり、結晶にひびがあって濁って見えたりする。
宇宙も誕生直後の1万分の1秒歳の時に相転移があった。それまでバラバラに飛んでいたクォークという素粒子がくっつき、私たちの体の元になる陽子や中性子ができた。最近は大型加速器を使って陽子や中性子を衝突させて「融(と)かし」、クォークのスープを作れるようになった。
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