第4回マウントしあう女性専用車? メディア現場「時代遅れ」

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伊藤恵里奈
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 マスメディアにおける女性の取り上げ方が、時に議論を呼ぶ。識者は「現実社会の進歩に比べて、作り手のジェンダー観が遅れている」と指摘する。

 1月13日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」。地下鉄などの「女性専用車両」を取り上げた。

 「戦場と化す女性専用車両」「オンナのバトル」などと画面にテロップをつけ、街頭で女性にインタビュー。女性専用車両ならではのできごととして、「ファーやポニーテールが顔にかかる」「同じブランド品を持っている女性同士でマウンティングしあう」といった声を紹介した。

 2日後には、TBS系「グッとラック!」でも女性専用車両を取り上げ、乗らないという女性たちが街頭インタビューに答え、「香水やヘアスプレーを使う人がいる」「男性の目が気にならないのか、化粧をしている人がいる」といった理由を話した。ナレーションでは「周囲に女性のみの女性専用車両では行動も大胆になるのでしょうか」と疑問を投げかけ、「女性のみの空間だと熾烈(しれつ)な争いもある」などと伝えた。

 さらに同日夕方のTBS系「Nスタ」でも、女性専用車両を取り上げた。街頭取材に答えた20代女性の「女性は普通車両に乗ってくるなという風にも聞こえてしまうので、それは今のご時世的にはどうなんだろう」という意見を、誤って「乗らない派」と紹介。後日、番組内で訂正しておわびをした。

 いずれの番組も、「女性専用車両の方がすいていて快適なはずなのに、隣の一般車両に乗ってくる女性がいる。女性が座る分、座れない男がいる」という趣旨のインターネット上の匿名投稿を冒頭で紹介して、「問題」を提起。スタジオでコメンテーターが議論を交わすなどした。

 女性専用車両が痴漢被害対策などとして設けられているとの言及があったり、「グッとラック!」では、弁護士が「依頼者に(痴漢の)被害に遭った人はいる。絶対に(女性専用車両は)あった方がいい」と話したりしたが、いずれの番組も女性専用車両で「問題」が起きているという側面が強調されていた。

 放送後、ツイッターでは「見たことない事例ばっかり」「痴漢被害者の存在を無視して踏みつけ、『女の敵は女』を誇張しエンタメ化する、使い古された女性蔑視の手法」と批判の声が投稿された。

 朝日新聞は番組制作の意図や…

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