お願い、助けて――。千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(当時10)が虐待死したとされる事件で、傷害致死罪などに問われた父親の勇一郎被告(42)の裁判員裁判。25日に千葉地裁であった証人尋問には被告の妹や実母が出廷し、心愛さんの体に複数のあざなどがあり、被告から暴力を受けたと訴えていたことを証言した。虐待をうかがわせる動画も公開された。
「助けて」「ごめんなさい」。法廷では勇一郎被告(42)の携帯電話などに保存されていた動画や静止画の一部が裁判員らに示され、心愛さん(当時10)の悲痛な声が響いた。動画は2018年7~8月に撮影された14本(計約52分)と19年1月に撮影された6本(計約55分)が証拠として採用され、再生されたのはこのうち計約10分だった。被告は表情を変えずに聞いていた。
検察側によると、2018年7月10日未明に撮影された動画には約2分間、玄関で心愛さんが土下座するまでの様子が映っていた。
被告「土下座だよ。お前、早くやれば」
心愛さん「じゃあ許せよ。家族に入れろよ」
被告「ムーリー」
心愛さん「うちのこと、どうでもいいんだね」
被告「今さら? 前から面倒…