イラン選挙、保守強硬派が躍進 米との対立より先鋭化か

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テヘラン=杉崎慎弥
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 21日に投票があったイラン国会選挙(定数290)は22日に開票が進み、反米を基調とする保守強硬派が多数派を形成する公算が大きくなった。イランメディアが非公式の集計や内務省の中間結果などをもとに伝えた。保守強硬派が議会で影響力を強めれば、対外融和路線で保守穏健派のロハニ大統領の立場が弱まり、米国との対立がより先鋭化する恐れもある。

 投票率や最終的な結果は出ていないが、イラン学生通信などによると、内務省が22日に発表した中間結果では、勝敗のカギを握るテヘラン選挙区(定数30)で保守強硬派の候補が上位30人を独占。同国の精鋭部隊・革命防衛隊出身のガリバフ元テヘラン市長がトップを走る。ロハニ師を支持し、前回2016年の選挙で躍進した改革派・保守穏健派は苦戦を強いられている。

 保守強硬派は、1月に革命防衛隊のソレイマニ司令官が米軍に殺害され、反米感情が高まった機運にのって躍進する見通し。また、米国の制裁で低迷する経済にも不満が高まっており、ロハニ師を支持していた若者らの多くは投票所に足を運ばなかったとみられている。このため投票率は伸び悩みが予測されており、前回の約62%を下回るとの見方が強い。

 イランでは、最高指導者ハメネイ師が国政の最終決定権を握り、議会の権限も限定的だが、保守強硬派が議会で主導権を握れば、任期約1年を残すロハニ師の罷免(ひめん)を議会が求める可能性があり、ロハニ政権は死に体になりかねない。米国だけでなく、15年の核合意の維持をめざす欧州との関係にも亀裂が入る恐れが出てくる。

 最終結果と投票率は早ければ23日にも発表される可能性がある。

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