経世彩民 大月規義の目
東京五輪の聖火リレーが約1カ月後の3月26日にスタートする。出発地点は、福島県の楢葉、広野両町にあるサッカーの大型施設「Jヴィレッジ」だ。東京電力福島第一原発から南に約20キロの場所にある。昨年10月、ここの楢葉町営駐車場で局所的に高い放射線量を示す「ホットスポット」が見つかった。しかも、国が避難指示を出す目安(毎時3.8μSv=マイクロシーベルト)の20倍近い毎時71μSvだった。とりあえず行ってみた。
東京ドームなら10個も入る広大な敷地。5千人収容のスタジアムを含め、天然芝と人工芝のピッチが計10面ある。訪れたのは昨年12月下旬。子どもたちが夢中になってサッカーボールを追いかけていた。
ここに来たのは約5年ぶりだった。私の記憶には、原発事故「直後」のJヴィレッジしかない。
事故が起きると、東電は地元の運営会社から施設を全部借り、事故の収束に向けた作業の拠点にした。宿泊施設やレストランを備えたナショナルトレーニングセンターや、サッカー場に建てられたプレハブ施設の中で、何千人もの作業員が防護服に着替え、軍隊のように整列して「イチエフ(福島第一原発の俗称)」行きのバスに乗り込んだ。
東電が拠点を第一原発に近い富岡町などに移したことで、Jヴィレッジは地元に明け渡され、2018年から営業が再開された。
グリーンピースの担当者「さすがに高すぎる」
町営駐車場の側溝付近にあるというホットスポットは、すぐに見つかった。全体的に落ち葉で覆われている側溝付近とは別に、真新しい黄色い土が1~2メートル四方にかぶせられていたためだ。見るからに除染したてだった。
持参したサーベイメーター(…