ドイツのメルケル首相(65)の意中の後継候補だった与党・キリスト教民主同盟(CDU)のクランプカレンバウアー党首(57)が党首辞任の意向を示し、14年超に及ぶメルケル政権は終盤にきて後継戦略の転換を迫られている。移民の受け入れに寛容で国際協調を重んじ、リベラルな政治姿勢で国内外をリードしたメルケル氏。その路線の行方を占う次期首相候補の争いは、仕切り直しとなった。(ベルリン=野島淳)
「党首と首相は一致している方が党は強くなることを学んだ」
クランプカレンバウアー氏は10日の記者会見で力を込めた。首相と党首を兼務しなければ力を発揮することはできないという「恨み節」のようだ。次の首相候補にはならず、年末までに新たな候補を決めて党首も辞めると明言した。
この決断にメルケル氏は10日、「最大の敬意を払うが、残念だ」と述べた。
クランプカレンバウアー氏の挫折は、メルケル氏の戦略の失敗でもある。
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CDUは2018年秋の二つ…
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