がん発覚、1人で泣いた日々 足を切り、車いすバスケへ

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黒田壮吉
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 1月下旬、小川祥汰さん(19)は長崎市の体育館で、2年前より遠くなったゴールを車椅子から見つめた。パスを受けて、両手で車輪を懸命に回す。助走した勢いを利用して、3点シュートを決めると、笑みがこぼれた。「タイプは違うけど、バスケはバスケ。やっぱり楽しい」

 小学4年でバスケットボールを始めた。小中では主将を務め、高校でも1年から主力として活躍した。部活後も自宅の駐車場においた簡易ゴールで夜遅くまで練習するのが日課だった。だが、3年生になる直前の2018年3月、違和感があった左ひざ上部の痛みが強くなった。

 学校近くの整形外科を受診すると、大学病院での精密検査を勧められ、4月中旬、骨のがん「骨肉腫」と診断された。親は泣いていたが、「若い人ががんになるイメージがなく、実感がわかなかった」。ネットで病気について調べると、怖くなった。入院した日、家族の前では明るく振る舞っていたが、病室で一人になると涙が止まらなかった。

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 6月に左足を切断した。切断…

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