メンタル不全、働き方改革で減らそう 天笠崇さんに聞く

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 過労自殺の遺族のために多くの医学的な意見書を書いてきた天笠崇さん(精神科医・労働衛生コンサルタント、代々木病院精神科科長)にインタビューしました。

――和歌山県の県立高校の教諭だった九堀(くぼり)寛さんの自死が公務災害だったと認められるまでに10年かかりました。どう受け止めていますか。

 「この事案が発生したのはまだ教員の働き方改革なんて言葉がなかったころ。ようやく最近になって、これまでのような働き方ではダメだと世論が変わってきた。そうしたタイミングで、寛さんが抱えた長時間労働や部活動、保護者対応の問題と、寛さんをサポートしきれなかった学校のサポート態勢の問題という教育現場のリアルな現実を反映した事案が公務災害認定されたのは意義がある」

――姉の瀬川祥子さんから寛さんの自死について、医学的な見地から意見書を書いてほしいと依頼されたのでしたね。

 「瀬川さんは当初、部活動でのトラブルについてよく調べられていたが、それだけで公務災害として認めてもらえるかというと、ちょっと難しいかもしれない、という印象があった。そこで教員としての仕事の実態がよりリアルに分かるような情報収集をもっと強化したらどうですか、という話をした。これまでに過労自殺事案を100件以上担当したり意見書を書いたりした経験を踏まえて、まずは助言をさせてもらった」

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――瀬川さんはその後、教員の…

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