患者を生きる・職場で「脊髄性筋萎縮症」(2)

 愛知県東海市の佐藤仙務さん(28)は生後10カ月で、運動神経細胞が変性して筋肉が萎縮する脊髄(せきずい)性筋萎縮症(SMA)と診断された。健常者の兄2人と同じように育てられ、高校卒業後は就職するつもりだった。

 幼いころから父親のパソコンに興味を持ち、小学3年で自分のノートパソコンを買ってもらった。就職はIT系の職場を希望した。

 体がほとんど動かず、全面的な介助が必要なため、就職活動は難航した。最終的に、希望のIT系の障害者就労支援事業所の就職試験に合格し、内定を受けた。

 就職前の研修を終えた日のことだ。佐藤さんが車で母親に送迎してもらっていると知り、事業所で働く車いすの男性から言われた。「親が甘やかしやがって。1人で通わせろよ。お前みたいな軟弱障害者はろくな人生を送れないぞ」

 限られた体の動きでもできるよ…

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