通学バス、異常に18分走行 「誘拐される」泣く子ども

有料記事

石橋英昭
[PR]

 宮城県名取市で22日朝、小学生33人を乗せたスクールバスの男性運転手(63)が体調不良を起こし、通常のコースを外れて18分間、約4キロを走っていたことがわかった。けが人はなかった。運転手は糖尿病の持病があり、低血糖の症状になったらしい。異変に気付いた子どもの呼びかけにも応えず、「誘拐される」と泣き出す子もいたという。

 市教委が24日明らかにした。市立愛島(めでしま)小学校のスクールバスで、東北観光バス(仙台市)に委託。約3キロ離れた愛島台地区との間をバス2台、運転手2人で朝夕それぞれ3往復し、児童を送り迎えしている。

 市教委によると22日午前8時7分ごろ、その朝の第3便が愛島台を出発した。途中で左折し小学校に向かうところを、1台はそのまま県道を直進。赤信号では止まったものの、青になっても発進しないなど、不自然な走行を続けた。

 この間、児童数人が「ちょっと違うよ」「左に行けば学校に戻れるよ」と声をかけたが、運転手は反応しなかったという。不安で泣き出したり、「誘拐されるんじゃないか」と訴えたりする子もいた。

 バスは4キロ先の高舘(たかだて)地区の道路脇で停止。近くの運送会社従業員が運転手に話を聞いていたところ、5年生の男児の一人が、窓越しに「SOS」と書いたノートを見せたという。従業員は警察に通報。運転手は救急車で病院に運ばれ、その後快復した。

ここから続き

 東北観光バスの営業所による…

この記事は有料記事です。残り367文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません