伝統の雪まつり会場、まだ草地のまま 雪像はサイズ縮小

有料記事

戸松康雄
[PR]

 例年にない暖冬は、福島県内でも有数の豪雪地・只見町で2月8、9日に開かれる雪まつりの準備にも、深刻な影響を及ぼしている。まつりの目玉である大雪像をつくるための雪の確保の見通しが立たず、サイズの縮小も予想されるからだ。

 1973年に始まり、今年で48回目となる「只見ふるさとの雪まつり」は大雪像と約1千発の花火、地元の料理を提供する「ゆきんこ市」が恒例で、昨年は約2万7千人が訪れた。

 会場はJR只見駅前の広場。例年は40~50センチほどの積雪で覆われるのに、今年は草地のままだ。15日朝は雪が降って、うっすらと白くなったが、昼前には雪が雨に変わり、ほとんど溶けてしまった。

 大雪像に使う雪の「供給源」は会場から約1キロの町道。冬季通行止めで大量の雪に覆われている道に除雪車を投入する。昨年は10トンダンプ900台分を会場に運び入れて巨大な雪山をつくり、2週間余りをかけて、幅約20メートル、高さ約13メートルの北海道庁旧本庁舎「赤れんが庁舎」に仕上げた。

 今年も東京五輪パラリンピックにちなみ、ほぼ同じ大きさの「東京駅」を作る予定だった。ところが、昨年の運搬開始日である1月17日に近づいても、町道の積雪はゼロ。町観光商工課は5キロ以上離れた山間部から運搬することを検討しているが、「現状では気温が高く、会場に運んでも溶けてしまう」という。

 目黒祐紀・観光交流推進室長は「運び入れる雪の量に応じた規模で作るしかない。業者には何とか10日程度で仕上げてもらいたいとお願いしている」と話す。

ここから続き

 町は降雪や気温の見通しを検…

この記事は有料記事です。残り231文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません