11日の台湾総統選で再選を果たした蔡英文(ツァイインウェン)氏(63)は2016年5月の就任以降、長く支持率低迷に苦しみ、一昨年11月の統一地方選で与党民進党は大敗を喫した。あれから1年余り。「蔡英文2・0」として息を吹き返した。(台北=西本秀

 「国家と人々との意思疎通を図る役割をおろそかにしていた」「最も変わらなければならないのは私だ」

 18年11月下旬、統一地方選で民進党が国民党に大敗した責任をとり、蔡氏は党主席を辞任した。その際、党員に向けた手紙に、蔡氏は反省を記した。

 敗北は、蔡政権が進めた公務員の年金改革や脱原発への批判に加え、公約した同性婚法制定の取り組みが遅れたことなど、様々な不満が積み重なった結果とみられている。

 それまでの蔡氏は、世論が割れる問題が起きると前に出ることを避け、混乱や不信を招いた。手紙には「沈黙することでバランスを取るつもりが、逆に賛否双方から批判されてしまった」ともつづった。

 慎重な姿勢の背景には、学者出…

この記事は有料記事です。残り592文字
ベーシックコース会員は会員記事が月50本まで読めます
続きを読む
現在までの記事閲覧数はお客様サポートで確認できます
この記事は有料記事です。残り592文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料記事です。残り592文字有料会員になると続きをお読みいただけます。