天皇陛下の代替わり行事が続いた昨年、皇族のみやびな装束に注目が集まった。そんななかで奈良・平安以降の朝廷や公家社会で用いられた装束を解説した高額書籍が異例の売れゆきを見せた。
「ヤベェ本を買ったぞ」
きっかけはこんな、ツイッターの投稿だった。
在庫「一瞬でなくなった」
「ヤベェ本」とは、百科事典で知られる平凡社が2018年に刊行した『有職装束大全』のこと。有職故実(ゆうそくこじつ)を研究する八條忠基(ただもと)さんが著した。写真や図版をオールカラーでふんだんに用いた全320ページで、値段は7480円(税込み)。図書館などの需要を見込んで、初版は3千部。毎月数十部が着実に売れていたという。
ところが、昨年9月に「ヤベ…