客だと思ったら取引先 NHK「おはよう日本」で謝罪
NHKは26日、朝のニュース番組「おはよう日本」の9日の放送で「キャビン型ホテル」と呼ばれる宿泊施設を特集した際、施設を時々利用する客として紹介した男性が、実際にはこれまで施設を利用したことのない、施設の取引先のメーカー社員だったと発表し、謝罪した。担当した外部制作会社のディレクターも施設側も知らなかったという。
NHKによると、問題があったのは、ビジネス情報を伝えるコーナー「おはBiz」で紹介した「カプセル以上 ビジネス未満が人気!?」という特集。東京都内にあるシューズなどの貸し出しサービス付きの宿泊施設を取り上げる際に、番組側が施設に「宿泊客の中からシューズの貸し出しサービスを利用している男性を紹介してもらえないか」と依頼。施設はシューズなどを提供していたメーカー「ミズノ」側に社員は不可と伝えたうえで協力を依頼したが、ミズノの担当者が会社の後輩に社員であることを隠して取材を受けるように指示したという。社員は実名、顔出しで紹介された。番組側が勤務先を確認した際には、別の会社の社員と偽って説明していたという。
放送の2日後に視聴者からの指摘があり、調査したところ発覚した。ミズノの担当者は聞き取りに「施設の依頼に応えようとしたが、なぜ社員ではだめか、よくわかっていなかった。施設やNHKをだまして会社を宣伝しようという意図はなかった」と話しているという。
ミズノによると、出演したのは同社の営業担当の社員。施設への営業を担当している先輩社員から、出演するように依頼されたという。先輩社員は、「NHKと取引先のお願いでもあったので、役に立とうという気持ちで軽率に受けてしまった。『関係者』と言わなければばれないと思った」と話しているという。ミズノは「会社としては把握していなかった」としている。
NHKの宮本英樹・おはよう日本部長は「施設に対し経緯を丁寧に聞いたり、本人に過去に施設を利用した際の詳細について丁寧に確認したりしていれば気づけた可能性はあった」として、「一定の確認はしたが確認が尽くせず、問題点に気づくことができないまま、放送で誤った事実を伝えてしまった。誠に申し訳ない」と述べた…
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