1時間半並んで年末ジャンボ、20歳女性が望んだこと
井上道夫
一獲千金、当たれば人生大逆転――。大みそかの宝くじの抽選を楽しみにしている人も多いのでは。あなたが宝くじで見る夢は、どんな夢ですか。
12月中旬。「高額当選の名所」として知られる東京・銀座の西銀座チャンスセンター。中高年が目立つ行列の中に、20歳の女性がいた。この売り場に複数ある窓口の中でも特に大当たりがでるといわれる1番窓口へと続く「億の細道」の列に1時間半ほど並んでいた。
実家がある栃木県の高校を卒業後、東京都内の製菓工場に就職し、チョコレートやケーキ作りを担当。毎月の手取りは13万円だった。家賃が高い東京で一人暮らしをするには厳しく、会社の寮に入った。さらに、預金をするために、格安スーパーに通い、食費を毎月1万円程度に抑えた。
一方、工場では残業は当たり前、繁忙期の年末年始は元日しか休みがとれなかった。さらに、三つ年上の女性の先輩ににらまれた。工場には専門学校で製菓の勉強をしてきた従業員が多く、先輩もその一人だった。「泡立て器の持ち方が違う。そんなことも分からないの」と注意された。だが、正しい方法を教えてもらえなかった。そんな毎日が続き、精神的に参ってしまった。
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両親や兄にも相談の上、1年…
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