「日本のおじさんはスケベ」聞いて育った私、来日したら

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今村優莉

 日本と中国の民間交流はどうすれば深まるか。15年間にわたって「中国人の日本語作文コンクール」を主催してきた日本僑報社(東京都豊島区)が11月、両国の相互理解の促進について話し合う「日中ユースフォーラム」を開いた。過去の作文コンクールに参加した両国の若者9人が集まり、言葉を学んだきっかけや将来の夢について語った。

 日本語を学ぶきっかけは、成績が足りなかったから――。「まるか」さんはそう切り出した。

 まっすぐ切りそろえた黒い前髪に丸い顔。「顔が丸いアニメのちびまる子ちゃんが好き。『まるか』と呼んで下さい」と話した。

 本名は朱杭珈さん(25)。「まる子」ではなく「まるか」なのは、名前の日本語読み「こうか」にかけたものだ。

 中国浙江省の自然豊かな農村の出身。貧しい家で両親は共に病を患っており、幼い頃から医者になることを夢みていた。大学入学の際、希望した学科に進むには点が足りず、日本語学科に振り分けられた。日本語の勉強を始めたのは仕方なくだった。

 故郷では「日本のおじさんはスケベだらけ」「日本人は歴史を反省していない」と偏った話ばかり聞かされていた。

 だが、大学で65歳の女性の日本語教師に出会い、中国で働く日本人に中国語を教える機会にも恵まれると、偏見は興味へと変わった。可愛いお土産においしい料理。「日本はどんなところだろう。この目で見て確かめたい」と思うようになった。

 貧しい親の援助はあてにでき…

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