全ゲノム解析、9万2千人分で実施へ がん治療へ活用
土肥修一
がんや難病患者のすべての遺伝情報を網羅的に調べる全ゲノム解析について、厚生労働省は20日、実行計画をまとめた。がんと難病の患者計約9万2千人分の検体を対象に最大3年間かけて解析。その結果を踏まえて本格的な解析をして、予防や診断、治療法の開発につなげる。
全ゲノム解析は、人間のDNAにある遺伝情報をすべて調べるもの。がんに関係する一部の遺伝子を調べるパネル検査などではわからない病気の原因を見つけ、治療につなげられると期待されている。
厚労省がまとめた実行計画では、最大3年間をめどに解析する。がんは国立がん研究センターなどに保管されている患者約6万4千人分、難病は約2万8千人分の検体と、今後新たに患者から提供される検体を解析の対象とする。
このうち、患者の同意や検体の質を確認できた、約2万1千人分を優先して解析する。内訳は、がんでは肺がんや肝臓がんなど治療が難しいがんや希少がん、小児がん、遺伝性のがんの患者計約1万6千人分、難病では原因となる遺伝子がわからない患者など約5500人分。
解析後、新たな患者を対象として本格的な解析に移行する。本格解析で調べるがんや難病の種類、検体数は先行解析の結果などを踏まえて決める。
全ゲノム解析は米国や英国で…
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