若手を子会社社長に抜擢 三井住友FGは生まれ変わるか

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鈴木友里子

 三井住友フィナンシャルグループ(FG)が若手を登用し、新規事業を拡大している。金融業界では、金融とITを結びつけた「フィンテック」の技術革新が進み、現金を使わないキャッシュレスも拡大。決済サービスではIT大手が勢力を伸ばしている。旧来型の融資や窓口サービスでは先行きが見通せないとの危機感が、メガバンクを突き動かしているようだ。

37歳の新社長が誕生

 この秋、三井住友FGのグループ会社としては最年少の社長が誕生した。法律相談サイトを運営する弁護士ドットコムと立ち上げた新会社「SMBCクラウドサイン」。あらゆる契約手続きをデジタル化するサービスを提供する。

 社長に就いたのは、IT企業から三井住友銀行に移ってまだ1年半の三嶋英城氏、37歳。9月25日の記者会見で三嶋氏を紹介した三井住友FGの谷崎勝教・執行役専務は「旧来型の銀行のカルチャーからすると、こんなに若い人をグループ会社の社長に登用するのかというレベルだが、グループ全体が大きく変革していく象徴だと思っている」と紹介した。

 新会社は、オンライン上で契約を締結し、そのデータはネットを介して保管するクラウドサービスを使って管理する。契約手続きを迅速化し、コスト削減もしたいという企業のニーズを取り込む。将来は、契約履行の際の決済や、蓄積した契約データを使った市場予測などのサービスも視野に入れる。

 三井住友FGはここ数年、こうしたデジタル分野の新規事業を担う新会社を相次いで設立しており、SMBCクラウドサインは8社目。同社以外でも今年は、ITで業務量削減を支援する「SMBCバリュークリエーション」など4社を相次いで設立した。

厳しさ増す銀行経営

 新規事業や若手登用を進める…

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