米航空機大手ボーイングが、墜落事故の相次いだ主力の小型旅客機「737MAX」の生産休止に追い込まれた。米連邦航空局(FAA)が同型機の安全認証に慎重になり、運航再開の大幅な遅れが避けられないと判断した。米経済にも影響が広がりそうだ。
ボーイングは16日、2020年1月からMAXを含む737型機の生産をいったん止めると発表。「在庫の機体を引き渡すことを優先した」と説明した。
737MAXは昨年10月にインドネシアで、今年3月にエチオピアで墜落。計346人が死亡し、世界で全約370機の運航が止まった。ボーイングは事故を招いた飛行システムを改修するとともに、月52機から42機に減らして生産を続けてきたが、納入は見合わせていたため、在庫が約400機まで積み上がっていた。
「認証は年内にも得られる」と公言してきたボーイングだが、目算は狂った。スケジュールありきで当局をせかすような姿勢に、ボーイングとの癒着が疑われてきたFAAは不信感を抱いた。米メディアによると今月、「運航再開で非現実的な想定を続けている」とボーイングに警告していたという。欧州やカナダの航空当局も改修内容を疑問視しているとされる。
FAAの認証は早くとも来年2月にずれ込む見通し。運航再開は来春以降となり、737MAXは丸1年間も地上に留め置かれることになる。
■米経済に打撃 ボーイング社…
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