指導者なし、母とめざす五輪の頂点 自転車の梶原悠未

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忠鉢信一

 来夏の東京五輪で男女通じて自転車競技初の金メダルを女子オムニアムで狙う梶原悠未筑波大、22歳)が、今季出場したワールドカップ(W杯)3戦を2戦連続優勝で締めくくった。大学にコーチはいないが、母親と二人三脚で練習に取り組み、成長してきた。次の大舞台は来年2月にドイツベルリンである世界選手権。同選手権の代表に選ばれれば、東京五輪への出場も確実になる。

 筑波大付属坂戸高(埼玉県坂戸市)出身で、競技を始めて7年目。大学に入ってからはコーチがいない。練習相手はバイクで同走する母・有里さん(47)。自転車競技の経験はないが、筋力トレーニングのフォームのチェックなど梶原が心がける効率的な練習に欠かせない存在だ。大学のある茨城県つくば市と日本代表の強化拠点がある静岡県伊豆の国市の間の送迎でも頼っている。

 1歳で始めた水泳で小学生の全国大会に出たが、中学では全国に出場できず、それが転機になった。「高校でも目標を達成できなかったらと思うと競泳を続けるのが怖くなった」。有里さんに相談すると「向いている競技がほかにあるのかも」と言われた。高校では部活で始めた自転車競技とスイミングクラブを両立させた。

理想の環境「作ればいい」

 自転車での成長は早かった。高校2年のジュニア全日本選手権でロードとタイムトライアルの2冠。翌年にはジュニア世界選手権でロードとトラックの両方に出場し、トラックのポイントレースで2位、ロードで4位になった。

 大学進学を前に強豪校に勧誘されたが、自分に合う環境が見つからなかった。「ないなら、作ればいい。そのために役立つ勉強をしよう」。競泳で推薦試験を受け、自転車の指導者がいない筑波大体育専門学群にあえて進んだ。

 オムニアムは4種目の合計ポ…

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