2020年度の新テストで、英語民間試験と記述式という二枚看板の導入が見送られた。受験生を翻弄(ほんろう)した国の責任は重い。
入試で高校教育を変えようと、文部科学省は数十万人の受ける共通テストに何もかも盛り込もうと制度設計した。そのため、英語の「話す」「書く」力を問おうとすれば同じ基準で一斉に評価せざるをえず、記述式も大量の答案を短期間に採点しなければならなくなった。
文科省はそうした理念と現実の矛盾を民間の力を借りて乗り越えようとした。英語は民間試験を活用し、記述式は教育産業に採点を委託した。だが英語は経済・地域格差への手当てが不十分で、記述式は1万人もの採点者の質が問われた。国は結局、入試が求める公平性や公正性の確保という責任を果たせなかった。
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そもそも今回の改革は、起点…
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