元農水次官、長男殺害の起訴内容認める 初公判

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阿部峻介
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 同居の長男を殺害したとして、殺人罪に問われた元農林水産事務次官・熊沢英昭被告(76)=東京都練馬区=の裁判員裁判が11日、東京地裁で始まった。熊沢被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は「長男の暴力をきっかけに殺害を考えるようになった」と主張した。

 冒頭陳述で検察側は、熊沢被告が事件7日前の今年5月25日、一人暮らしで仕事をしていなかった長男英一郎さん(当時44)の要望を受け入れ、妻と3人で暮らすようになったと説明。翌26日、英一郎さんに対し、住んでいた家のごみ処理について注意したところ、暴力を受けたことから、殺害を決意。「他に方法がない。英一郎も散骨してください」などと書いた手紙を妻に渡し、犯行に及んだと指摘した。

 弁護側は、英一郎さんは中学時代にいじめに遭い、家庭内で暴力をふるうようになったと説明。同居翌日の暴行は激しいもので、熊沢被告はけがを負い、夫妻は英一郎さんを避けるために2階で暮らすようになった。事件当日の午後、熊沢被告が1階に下りると、英一郎さんは隣の小学校の運動会の音にいらだっている様子で「殺すぞ」と言ってきたと説明。熊沢被告はとっさに台所の包丁を持ち出し、犯行直後に110番通報をして自首したと主張した。

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 起訴内容は、熊沢被告が6月…

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